新品複合機(コピー機)のシェアまとめ!
各メーカーの特徴と選ぶポイント

せっかく導入するのなら、”新品複合機(コピー機)”を選びたいもの。しかし、新品複合機(コピー機)は1台あたり100万円から、機種によっては500万円にも。正直、新品複合機(コピー機)を簡単にとはいかないものです。

では、新品複合機(コピー機)を導入するとして、皆さんなら何を基準に比較しますか?本体価格はもちろんとして、機能や性能、使いやすさなど。意外と決め手になるのが、各メーカーが業界でどれほどのシェアを持っているのかです。

シェアがあるということは、それだけ顧客に支持されているということ。口コミでつねに上位評価にいるようなものな訳です。そこで、今回は新品複合機(コピー機)の国内・海外シェアを、各メーカーの特徴と選ぶポイントをご紹介しましょう。

1.新品複合機(コピー機)の国内・海外シェア

新品複合機(コピー機)を比較するポイントの1つとして”シェア”というのはとても重要です。シェアが高いということは、それだけ必要とされているということなため。では、新品複合機(コピー機)の国内・海外シェアについて見ていきましょう。

新品複合機(コピー機)の国内シェア

新品複合機(コピー機)の国内シェアは以下のように。

  • 1位:キヤノン(約25%)
  • 2位:リコー(約20%)
  • 3位:富士ゼロックス(約15%)
  • 4位:シャープ(約10%)
  • 5位:コニカミノルタ(約10%)
  • その他:京セラ、東芝など(約20%)

新品複合機(コピー機)の国内シェアで3強とされるのは”キヤノン・リコー・富士ゼロックス”の3メーカー。ここ数年はこの3メーカーが国内シェアの6割ほどを占めている状態です。特にキヤノンとリコーは、つねに1位と2位を争っている状態に。

シェアが大きいということは、それだけ魅力的なサービスを提供し、販売業者や顧客から支持されているということ。しかし、反対にシェアの小さいメーカーだからと、必ずしも問題のあるということはなく、一部分において世界一なこともあります。

新品複合機(コピー機)の海外シェア

新品複合機(コピー機)の海外シェアは以下のように。

  • 1位:ヒューレット・パッカード(約35%)
  • 2位:キヤノン(約25%)
  • 3位:エプソン(約20%)
  • 4位:ブラザー(約10%)
  • 5位:富士ゼロックス(約5%)
  • その他:リコーや東芝など(約5%)

海外シェアで難しいのは、対象をどこまで広げるのかです。上記は全世界を対象にしたシェアですが、東南アジアやヨーロッパなど、地域ごとに調べるとまた違った内容に。上記ではランク外でも、国によっては1,2位というメーカーもあります。

それでも、キヤノンや富士ゼロックスなど、国内シェアだけでなく海外シェアでもトップクラスというのは高評価です。ちなみに、ヒューレット・パッカード(アメリカ)を除いて、日本メーカーが上位を占めているというのは誇らしい気持ちになります。

2.キヤノンのシェアと特徴

国内シェアで1位、海外シェアでは2位の”キヤノン”。世界でも認められたメーカーなだけに期待が膨らみます。正直、「もうキヤノンでいいのでは?」と思ってしまうほど。では、キヤノンの新品複合機(コピー機)の特徴を見ていきましょう。

色彩表現が豊か

キヤノンはカメラ、フィルムの製造販売でも世界トップクラスのメーカーです。そんなメーカーだからこそ、カラー印刷技術に対するこだわりも。”色彩表現”が豊かなことで知られ、デザイン系や印刷系などいわゆる”プロ”から支持されるほど。

メンテナンスが充実

キヤノンは大手メーカーなだけに、保守メンテナスも充実しています。メンテナンスの手厚さの1つの指標となる、メンテナンス拠点の数は全国200箇所ほど。新品複合機(コピー機)の業界で、リコーの400箇所弱に次いでトップクラスです。

特別な機能はない

カメラメーカーならではの豊かな色彩表現は魅力的ですが、キヤノンの新品複合機(コピー機)は良くも悪くも”平均的”な性能です。他のメーカーのように「これは!」と言えるほど特別な機能はなく、あくまでベーシックな機能のみと言えます。

立ち上がりが遅い

キヤノンの新品複合機(コピー機)であえて不満点を挙げるとするのなら、”立ち上がりが遅い”という意見が。一般的なメーカー製だと立ち上がるまでに20秒ほどが平均とされますが、キヤノンだと30秒ほどとちょっと遅い印象を受けます。

3.リコーのシェアと特徴

キヤノンに次いで国内シェアで2位、年度によっては1位を獲得するほど人気のある”リコー”。特に、”官公庁”のような、お硬い系の顧客が多いメーカーです。では、リコーの提供する新品複合機(コピー機)の特徴をご紹介しましょう。

メンテナンス拠点が日本一

リコーの1番の強みは”メンテナンス拠点”が多いということ。リコーのメンテナンス拠点は全国400箇所弱とまさに”日本一”です。国内シェアでトップのキヤノンでも200箇所ほどと、いかにリコーの保守メンテナンスが手厚いかが見てとれます。

二色刷りがモノクロ価格

リコーのカウンター料金は”二色刷りもモノクロ価格”として計算されます。カウンター料金はカラー20円/枚、モノクロ10円/枚が一般的。黒と赤のように、二色刷りがモノクロ価格と見なされることで、印刷料金をグッと抑えることが可能です。

※カウンター料金とは、”1枚いくら”と印刷枚数に応じて保守料金を設定するもの。

省エネ性能が良い

リコーは新品複合機(コピー機)の省エネ性能にも力を入れているメーカーです。2001年には、業界初の”省エネ大賞”を受賞したほど。消費電力の高い新品複合機(コピー機)において、省エネというのは重要な比較ポイントです。

画質がちょっと低い

リコーはどちらかというと”中小規模オフィス”を対象にした戦略を取ってきました。その為、ランニングコストや省エネ性能を重視することに。色彩表現や印刷品質のように、デザイン系や印刷系などプロの求める部分はちょっと苦手なようです。

4.富士ゼロックスのシェアと特徴

キヤノンやリコーに次いで国内シェアで3位、さらに海外シェアでは5位と好成績な”富士ゼロックス”。一時期は複合機のことを「ゼロックスする」と表現されたほど。では、富士ゼロックスの新品複合機(コピー機)の特徴をご説明しましょう。

日本で初めて複写機を販売

日本で一時期、複合機のことを「ゼロックスする」と言われていたのには深い理由が。実は、親会社である米ゼロックスが世界で初めて普通紙複写機を販売し、日本で初めて販売したのが子会社である”富士ゼロックス”であったためです。

高価格なだけに高品質

富士ゼロックスが他のメーカーと一味違うのは、あえて”高価格”で”高品質”なものを提供していること。印刷速度や印刷品質はもちろん、メンテナンス体制のレベルも最高クラスと、業界最高値と言われるだけのサービスを提供しています。

「呼べばすぐくる」と言われるほど

メンテナンス体制も最高クラスとされる富士ゼロックスですが、メンテナンス拠点の正確な数は非公開となっています。しかし、予想では全国250から300箇所ほど。実際に利用している顧客から、「呼べばすぐくる」と言われているほどです。

5.京セラのシェアと特徴

国内シェア、海外シェア共にランク外の”京セラ”。ではあるものの、新品複合機(コピー機)のある技術において、”世界一”と呼べるほど素晴らしいものが。では、京セラの提供する新品複合機(コピー機)の特徴を見ていきましょう。

ドラムの耐久性は世界一

京セラの新品複合機(コピー機)は”ドラムの耐久性”が世界一と言われています。というのも、従来のドラムは10万枚ほどで交換ですが。京セラのドラムは”アモルファスシリコン”を採用することで、100万枚ほどまで交換不要なのです。

コストがとにかく安い

京セラの新品複合機(コピー機)は”本体価格”も”ランニングコスト”も安いことで知られています。本体価格は他のメーカーと比べて1,2割ほど低く。ドラムの耐久性が高いことで故障のリスクも低く、結果的にランニングコストを下げています。

メンテナンス拠点は少なめ

ドラムの耐久性により故障のリスクは低いものの、京セラにはメンテナンス拠点の少ないという指摘も。京セラのメンテナンス拠点は全国100箇所ほど。万が一、トラブルが発生したときに、近くにメンテナンス拠点がないのは気になります。

故障のリスクが高かった

現在では改善されていますが、実は昔の京セラ製品は故障のリスクが高かったのだとか。というのも、2008年に主な工場を中国に移転したために、部品ごとの精度にばらつきが。もし、中古品を購入するなら、京セラ製は要注意です。

6.コニカミノルタのシェアと特徴

国内シェアで4,5位をさまよっているのが”コニカミノルタ”。キヤノンやリコーほどのシェアはないものの、小規模だからこそできる他にはない独特の開発思想が。では、コニカミノルタの新品複合機(コピー機)の特徴についてご紹介しましょう。

トナーは自社開発で高品質

コニカミノルタではトナー(インク)を自社開発、生産しています。トナーは新品複合機(コピー機)の印刷品質に大きく影響する部分。それだけに自社開発のトナーは品質が高く、富士ゼロックスなどと比較しても目劣りしないほどです。

海外シェアではトップクラス

国内シェアでは低いものの、一部の地域シェアではトップクラス。例えば、ドイツやフランス、オーストリアやイタリア、ポルトガルやデンマークなど”ヨーロッパ”ではシェア1,2位を争うほど。海外ユーザーにも使いやすい設計が評価された結果です。

業界初の”グッドデザイン賞”

コニカミノルタの新品複合機(コピー機)で外せないのが”デザイン性の高さ”。というのも、コニカミノルタは白黒ボディーの新品複合機(コピー機)を発表し、業界初の”グッドデザイン賞”で金賞受賞したほどデザインに力を入れています。

7.シャープのシェアと特徴

国内シェアで4位と、十分にトップクラスと言える”シャープ”。シャープは新品複合機(コピー機)というより、”家電メーカー”の印象の強いメーカーです。では、シャープの提供する新品複合機(コピー機)の特徴をご説明しましょう。

液晶画面が使いやすい

家電メーカーとして知られるシャープだからこそ、新品複合機(コピー機)にもユーザー目線を意識した設計が。特に、液晶画面にはスマホ設計で培った技術が取り入れられ、”視認性の高さ”と”操作性の良さ”は1,2を争うほどです。

コンビニのシェアは6割ほど

国内シェア全体だと4位のシャープですが、実はコンビニだけで集計すると6割ほどのシェアに。コンビニの複合機は窓際や入口と、気温や雨風など環境変化の激しい場所に設置されます。つまり、それだけ耐久性の求められる環境なのです。

起動速度は世界一

耐久性の高さの他に、シャープで特筆すべきなのは”起動速度の速さ”です。他のメーカーだと起動するまでに20秒ほどかかるのに対して、シャープだと10秒ほどで。まさに”世界一の速さ”で、待ち時間を短縮しストレスを軽減してくれます。

色彩表現が低い

国内シェア1,2位にも劣らないほど魅力的なシャープですが、”色彩表現が低い”という話もあります。家電メーカーだからこそ、画像(画質)にあまり注目していないのか、キヤノンや富士ゼロックスなどと比べると色の出方が弱いようです。

8.東芝のシェアと特徴

国内シェア、海外シェア共に圏外とあまり注目度の高くない”東芝”。ではありますが、複合機業界で唯一の”パソコンメーカー”という強みを生かした魅力が。では、東芝の新品複合機(コピー機)の特徴について詳しくご紹介しましょう。

世界シェアだと2割ほど

先述した通り、全世界を対象とした調査では、残念ながら東芝は圏外です。しかし、中国やインドなど、東南アジアを対象にするとトップシェアに。東芝はどちらかというと国内ではなく、海外でも東南アジアに販路を広げてきたためと言えます。

メンテナンス拠点が満遍なく

東芝のメンテナンス拠点は全国110箇所ほど。リコーやキヤノンと比較すると少なめではあるものの、拠点の位置をチェックすると全国に満遍なく配置されています。拠点数は少ないとしても、十分に満足できるサービスを期待できるでしょう。

パソコンとの互換性が高い

東芝は複合機業界で唯一の”パソコンメーカー”です。複合機とパソコンはとても関係性の深いもの同士。複合機とパソコンの相性が悪いと、適切に出力できないことも。その点、東芝の複合機、パソコンであれば相性は最高なはずです。

9.新品複合機(コピー機)を選ぶポイント

ここまで、新品複合機(コピー機)の国内、海外シェアと各メーカーの特徴についてまとめてきました。皆さんの気になるメーカーは見つかりましたか?では、最後に新品複合機(コピー機)を選ぶのに役立つポイントをご説明しましょう。

業界シェア

今回の話題にもある通り、新品複合機(コピー機)を選ぶのなら”業界シェア”をチェックしておきましょう。シェアが大きいということは、それだけ販売業者や顧客から支持されているということ。それだけでも十分な指標として使えるのです。

ただ、シェアの少ないメーカーだからと、決してよくないということではありません。むしろシェアが少ないからこそ、独自路線のサービスに力を入れているところも。業界シェアはあくまで1つの指標として、各メーカーを比較することが大切です。

印刷速度

新品複合機(コピー機)を選ぶポイントとして、もっともよく利用されるのが月々の”印刷枚数”です。というのも、月々の印刷枚数を知ることで、必要となる印刷速度を予想できるため。ちなみに、以下のようなイメージだと分かりやすいです。

  • 1,000枚以下/月…20枚/分
  • 3,000枚以下/月…30枚/分
  • 6,000枚以下/月…40枚/分
  • 10,000枚以下/月…50枚/分
  • 20,000枚以下/月…60枚/分
  • 20,000枚以上/月…70枚/分

新品複合機(コピー機)は印刷速度が速くなるほど、本体価格は高くなるのが一般的です。月々の印刷枚数が少ないのに、あえて高価な高速機種を選ぶ必要はありません。オフィス環境に、利用状況に合わせた機種を選びましょう。

機能・オプション

新品複合機(コピー機)と一括りにしていますが、メーカーや機種によって様々な機能・オプションがあります。印刷速度と同様に、機能・オプションが豊富なほど価格は高くなる傾向に。例えば、機能・オプションとして以下のようなものが。

  • フィニッシャー(製本機能)
  • 個人認証(ICカード認証)
  • 無線機能(Wi-FiやBluetooth)
  • クラウド連携
  • スマホ連携
  • セキュリティ機能

会議のたびに大量の冊子を作成するのなら”フィニッシャー”があると作業が捗ります。また、不特定多数が利用するのなら、社員ごとに利用状況の把握できる”個人認証”も。必要な機能だけに絞ると、それだけ価格を抑えられます。

導入方法

新品複合機(コピー機)と聞くど、どうしても”買取”しかイメージしないと思います。しかし、実は新品複合機(コピー機)の導入方法には、買取以外にも選択肢が。例えば、”リース契約”はむしろ買取よりも人気の高い選択肢です。

リース契約とは”契約者の選んだ機種を、リース会社が代わりに購入して長期貸与する”というものです。契約者は月々のリース料金を支払うだけ。本体価格や設置設定費など、100万円前後はする初期費用をかけずに導入できます。

保守契約

新品複合機(コピー機)では”保守契約”を結ぶのが一般的です。保守契約とは点検、修理などの”メンテナンス”を業者に委託できる契約のこと。新品複合機(コピー機)の保守契約には、主に4種類の契約内容があります。

  • カウンター契約…”1枚いくら”と、印刷枚数に応じて保守料金が決まる
  • キット契約…一定量のトナー代とメンテナンスを保守料金に含めたもの
  • スポット契約…トラブルが発生したときにだけ保守料金が発生するもの

はっきり言うと、新品複合機(コピー機)はいつか故障します。複合機は精密機器な上に、ドラムやセンサーなど消耗部品が多くあるため。「故障するもの」として、故障しても安心できるようなんらかの保守契約は利用するべきです。

販売業者

新品複合機(コピー機)を選ぶ上で、もっとも重要なのが”販売業者をどこにするのか”。というのも、販売業者は契約して終わりではなく、メンテナンスで長期的に付き合っていきます。ちなみに、販売業者を選ぶポイントは以下の4つ。

  • 2,3社から見積もりを取って比較する
  • メンテナンスの内容をチェックする
  • 販売業者の業績を確認しておく
  • 営業担当者との相性の良さはどうか

どんなに価格、サービスが良くても販売業者が倒産してはメンテナンスを受けられません。また、提案内容に納得できても、これから付き合っていく担当者との相性が悪いと大変です。少なくとも上記の4つは、クリアしておく必要があるでしょう。

10.まとめ

今回は、新品複合機(コピー機)の国内、海外シェアと各メーカーの特徴についてまとめました。新品複合機(コピー機)を選ぶ上で、業界シェアがどうなのかはとても重要です。シェアが高いということは、それだけ選ばれているということ。

  • 国内シェアは以下のように。
  • 1位:キヤノン(約25%)
  • 2位:リコー(約20%)
  • 3位:富士ゼロックス(約15%)
  • 4位:シャープ(約10%)
  • 5位:コニカミノルタ(約10%)

海外シェアは以下のように。

  • 1位:ヒューレット・パッカード(約35%)
  • 2位:キヤノン(約25%)
  • 3位:エプソン(約20%)
  • 4位:ブラザー(約10%)
  • 5位:富士ゼロックス(約5%)
  • その他:リコーや東芝など(約5%)

ただし、業界シェアで圏外だからと、そのメーカーが良くないということではありません。むしろシェアが低いからこそ、トップシェアのメーカーにはない特徴的なものも。各メーカーの特徴をしっかり比較した上で、どこにするか検討するのがいいです。

ぜひ、紹介したシェア、各メーカーの特徴、選び方を踏まえた上で新品複合機(コピー機)を導入してください。